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ランニングが趣味の私に、母からの「結婚は?」どこまで走っても老後3,000万円からは逃げられない

2025.10.21

「で、あんた結婚の予定は?」
30歳の誕生日に帰省した瞬間、母から放たれたジャブ。まるで前菜みたいなノリで。

「うーん、特にないかな」って笑って返したけど、母は畳みかけてくる。
「じゃあ老後は?ひとりで生きるなら、お金のことちゃんと考えなさいよ。ちゃんと貯金してるの?保険も入ってないんでしょ?老後資金、3,000万円っていわれているのよ」

え、ちょっと待って。3・ぜん・まん?
正直、動揺した。鏡越しに白髪を見つけた時くらいには。

ちゃんとしている“つもり”だった、私の人生

30歳を過ぎてから、健康オタクのスイッチが入って、ランニングを始めた。
きっかけは「ちょっと太ったかも」っていう軽い焦りだったけど、今では完全に私の生活の軸。
走るとメンタルも整うし、食事や睡眠にも自然と意識が向く。

だからずっと、私って“ちゃんと生きている”人間だと思っていた。
でも、母の「保険入ってないでしょ?」の一言で、急に“外側だけ感”があらわになった気がして、ちょっと恥ずかしかった。

人生の10km地点での絶望

保険って、入院したときとかのものだと思っていたから、今の私には関係ない話だと思ってた。だけど、今後ひとりで生きていくのかもと考えたら、「今の私が将来の私にしてあげられることって、これくらいしかなくない?」って。

冷静に考えてみれば、体力も、仕事も、友情も、“ずっと今のまま”なんてことはない。どれもいつか形を変えていくものだ。
それに薄々気づきながらも、「自分はまだ大丈夫」と思って走り続けてきた。
でもある日、ふと立ち止まってみたら、「あれ、まだまだ先長いんだけど…!?」って感覚に襲われてゾッとした。

そう、この感覚ってまさに「フルマラソン走るぞ!」って気合いを入れてスタートしたのに、10km地点でおなかが痛くなって「あと32kmも?」って焦る、あの感じ。
今の私は、ちょうど10km地点で、人生という名のコースの長さに軽く絶望している。

途中で水、ゴール後にはご褒美のビール。人生、それくらいの装備がほしい

フルマラソンだって、水分補給なしで走れるわけがない。
それと同じで、人生にも“途中で立て直せる”装備って必要だと思う。ボトルポーチみたいに、軽くて頼りになるやつ。
それが人生でいう保険なのかも。備えすぎず、でもちゃんと自分を守るための装備。

その上、ゴールの先に“キンキンに冷えたビール”が待っていると思えば、さらに頑張れる気がする。
未来の私が「よく頑張った!」って乾杯するための、ちょっとした積立。そんな感覚なら、悪くない。

老後の覚悟はないけど、今日もそれなりに走れそう

正直、3,000万円を貯金できる自信も、「老後はひとりでこう生きます」なんて宣言もできない。
ただ、どんな未来でも、「自分でなんとかできる」って思えるくらいの、走力と装備は持っていたい。人生というフルマラソンを、どこまで走るかわからないからこそ。

水と、履き慣れたランニングシューズと、お気に入りの音楽。
それに、ちょっとの備えがあれば、私は今日もちゃんと走れる。

そう思って、ChatGPTに聞いてみた。
「老後3,000万円準備する方法は?」って。
まさか自分がこの文章を打つ日が来るとは思ってなかったけど、案外これって、“自分の未来にちょっと期待している証拠”なのかもしれない。

水谷夏希

美容系メディアのライターを経てフリーランスへ。美容やヘルスケア、食に興味がある。最近の趣味はランニングとピラティス。