X(旧Twitter)

彼はいる。愛もある。なのに「結婚したいかわからない」30代の本音

2025.08.04

コラムイメージ

大学時代の女友達と久しぶりに飲んだら、いつの間にか結婚していた。
「おめでとう!」と笑ったけど、心のなかでは「とうとう私以外はみんな結婚しちゃったか…」という寂しさと焦り。
そして、続く「次はあなたの番だね」の言葉。正直、ちゃんと笑えていた自信はない。

親友たちが”家族ファースト“になっていく寂しさ

20代の頃は、「友達しか勝たん」といいながら、週5で飲み歩いていたあの子たちも、今はすっかり家族優先だ。幸せそうな姿を見るのはうれしい。心からお祝いしたい気持ちも本当。嘘じゃない。

でも正直、ぽっと出の男に10年来の親友を取られたような、そんな寂しさがある。誰かと比べたいわけでも、ふたりの関係を壊したいわけでもない。
ただ、なんとなく心にぽっかり穴があくような、そんな気がするのだ。

私は、結婚したいのか?それとも、したほうがいいのか?

かくいう私にも、恋人がいる。このままいけば、結婚するんだろうな、となんとなく思っている。親もきっと喜ぶだろうし。
でも、心のどこかにいつもいる「ほんとに結婚したいの?」と問いかけてくる自分。それは彼との関係に対する不安ではなくて、「そもそも私の人生に結婚って必要?」という問い。

ただ、30代になってから、周囲の目が気になる瞬間も増えてきた。結婚すると、まるで人生経験を1つ積んで、“次のステージに進んだ人”みたいに見えてしまう。
特別何かいわれたわけじゃない。でも、結婚の話になった時の会話の絶妙な間とか、「あ、この人は“まだ”なんだ」っていう、目に見えない空気を感じて、勝手に心がざわつくことがある。

私は昔から、結婚に対して強い憧れを持っていたわけじゃない。初めて恋人ができた時も、同棲を始めた時も、「結婚したい」と思ったことはなかった。そもそも“好きな人とずっといっしょにいたい=結婚”とはならなかった。

だけど30代に突入した今、「結婚したいかも…」ってふと思う瞬間がある。これは心の変化なのか、それとも周囲の空気にあてられた結果なのか。何度も自問自答したけど、答えは出ない。

「結婚したらやりたいことが制限される」と思っていた

なぜ、結婚に興味がなかったのかを考えてみた。たぶんどこかで、「結婚=自由を失うもの」みたいなイメージを持っていたんだと思う。
私の人生にはやりたいことも、行きたい場所も山ほどある。それを結婚によってあきらめるような気がして、ずっと避けていたのかな、と。
正直、“結婚は墓場“なんて言葉が、あながち冗談に思えなかった時期もあった。令和の時代にこんなこというのもあれだけど。

20代の自分の軸は、「結婚<仕事」

もうひとつ大きかったのは、仕事に全力だったこと。
20代前半の私は、仕事が好きで、始発から終電まで働くのも、土日に出勤するのも苦じゃなかった。当時の私はその生活を楽しいと思っていたし、“がんばっている私”が誇りでもあった。

でも28歳くらいで、ぱたっと力が尽きた。本当に急に。それまで“仕事をがんばっている私”がアイデンティティだったから、それを手放したら、ぽっかり穴があいた気がした。

燃え尽きたような感覚のなかで、ふと頭に浮かんだのが“結婚”だった。
誰かと寄り添って生きていく未来が、自分を立て直すための“次の目標”のように思えたのかもしれない。
けれど気づいてしまった。
もしかしたら私は、純粋に結婚を望んでいるんじゃなくて、「人生がうまくいっているように見られたい」という、そんな安心感が欲しかっただけなのかもしれない。
そう、“結婚”という“保険”をかけようとしていた自分に気づいた瞬間、ちょっとゾッとした。

結婚は、保険じゃない

でも最近は、少しだけ気持ちが変わってきた。結婚って、”人生の保険“なんかじゃない。誰かといっしょにいたいと思う気持ちは、何かをカバーするための”制度“ではなく、もっと自由で、もっとあたたかいもののはずだ。

今の彼となら、何かあってもいっしょに向き合っていけそうな気がする。そう思える誰かと過ごすって、周りからの評価以上に大きな安心感をくれるんだなって、ようやく思えるようになってきた。

でも、どんなにいい関係でも、万が一はやってくる。突然病気になったり、仕事が続けられなくなったり。
結婚しているから安心、ではないし、独身だから不安、というわけでもない。どちらにしても“生きていくための備え”は必要なんだと思う。
だからこそ、“ちゃんとした保険”も視野に入れておきたいと思えるようになった。

結婚も保険もこうあるべきなんてものはない

たぶん、結婚も保険も”こうあるべき“なんてものはない。でも、どっちも「自分を守る選択肢」としてちゃんと向き合いたい。
誰かにすべてを任せるんじゃなくて、自分の人生は自分でも支えられるように。その上で、誰かといっしょに歩んでいけたら、それが一番安心なんじゃないかと思う。

大木奈弥美

生活者向けのイベントディレクターや広告ディレクター、雑誌・Webメディアの編集等を経験し、ライターへ。推しと美容と旅行が好きなどこにでもいる30代。